よりミニマルなレシピのために、料理の基本を学び直そうと思う。

つい一週間ほど前にアップした《昆布酒》の記事。あのレシピは大人気オーガニック料理教室・白崎茶会主宰の白崎裕子先生の著書で知ったものでした。


今日はここからめっちゃ個人的な話が続きますので、ご興味のある方だけお付き合いくださいね(笑)。

《白崎茶会》とのご縁とその魅力

私は2013年1月〜2014年11月の約二年間横浜に住んでいて、その時にこの《白崎茶会》に通っていました。当時の白崎茶会のレッスンはメール申し込み。受付開始時刻の時報を聞きながらメールを送信しても、定員オーバーで参加できない可能性があるという、まさに「コンサートチケット並みの争奪戦」になる人気っぷりでした。

本当は年間コースも受けたかったけど、あいにく私は長女妊娠中。そんな人気の教室なので、当然「全回参加できること」が必須条件。コース参加は諦めましたが、出産までの数ヶ月間に、単発レッスンを5回ほど受けさせてもらえたのはとてもラッキーでした。

麺やパンを自分で作るのにハマっていたのもこの頃です^^

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白崎茶会は、神奈川県の西の端・葉山の海岸沿いにある一軒家で開催されています。最寄り駅から更にバスに乗る必要があり、同じ県内に住んでいた私でも片道一時間半を要しました。でも教室には、毎回九州から飛行機 & 泊まりがけで参加されてる方なんかもいて、皆さんとっても熱心だったんですよね^^

なぜそんなに白崎茶会が人気だったのか。他の方がどう思っていたのか私にはわかりませんが、私が惚れ込んだ理由は「常に驚きと美味しさがあるから」でした。

茶会レシピは基本的に肉や魚、乳製品を使わないオールベジ(ベジタリアン・ヴィーガン)仕様なのですが、「本当に美味しい!」「卵もお肉も使ってないのに?!」なんていう驚きがたくさん溢れているのです。(茶会レシピ本には一般の方向けに、オールベジでないものも載っています^^)

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(当時の教室風景。写っているのは白崎先生ではなく副調理係のHさんです・笑)
最近はそんなことないかな?と思いますが、ほんの数年前まではマクロビオティック仕様の料理やおやつって「なんかちょっと物足りない」「正直あんまり美味しくない……」なんてのが珍しくなかったんですよね……。

白崎先生が試作に試作を重ねたレシピ。その美味しさの秘密を、感覚ではなくとことんロジックで説明してくださるのが、私にはとても大きな魅力だったのです^^

私が料理を始めたきっかけ

私は料理が好きですが、「インスタ映え」的な華やかで凝った料理にはほとんど興味がありません。シンプルで美味しければ、それがベスト。だから日々の料理も切るだけ・蒸すだけ・和えるだけ、みたいなのがとっても多い。でもそれを今後も続けていくうえで、私には料理の基礎が足りてないな……と思うことがしばしばあったのです。

ここでちょっと、思い出話。私が料理を始めたのは14歳のとき。それまで専業主婦だった母が、自営業の父の仕事を手伝うようになり、夕飯作りを当番制にしたのがきっかけでした。いきなり家族五人分の夕飯を、週に2,3回任されるようになり、学校帰りの電車のなかで夕飯の献立を考える、所帯じみた中学生になりました(笑)。

最初は母の見よう見まね。そこから家にある料理の本を読んだり、本屋さんで立ち読みしたり。大学生になってからは飲食店でアルバイトを始めて、お店のレシピから学んだり……。食べることが好きだったので、全然苦ではなかったんですけどね^^

そんな風に知識をつぎはぎにアップデートしながら今に至っているので、例えば野菜の切り方や塩加減などを「なぜそうするのか?」というロジックと共に、ちゃんと理解していない。計量も面倒だし、レシピを見てもすぐに自分流にアレンジしてしまうし……。

かといって今更「料理の基本」みたいな本を買うのもなんだかシャクだし、別に困ってないと言えば困ってない。

でもこのブログを始めて思ったのは、料理研究家ではないにせよ、どうせレシピを公開するなら「もうちょっとロジックに沿った、普遍的でミニマルな料理を突き詰めたい」ということ。

ミニマルなレシピを美味しく仕上げるには、ちょっとした手順や水加減・塩加減が重要です。自分が作るだけなら様子を見ながら調整できるけど、レシピとして再現性を求めるなら、やっぱりそこに明確な理由が欲しい……。

私はそんなモヤモヤを、密かに抱えておりました(笑)。

白崎先生の最新刊《白崎裕子の必要最小限レシピ》

そして一週間ほど前のこと。昆布酒の記事用にAmazonリンクを調べていたときに、たまたま目にした白崎先生の新刊情報。

白崎先生のレシピ本はもれなく全冊持っており、「新刊は無条件に買う」くらいのファンなのですが、なんと今回最新刊の発売を一ヶ月近くも見逃していたのです……!アンビリーバボー!!(おおげさ)これはいかんと、今後は新刊情報が出た時点でメール通知が来るように設定しました(笑)

そんなこんなで数日前に手元に届いたのが、「白崎裕子の必要最小限レシピ ―料理は身軽に」。

いやーーータイトルからしてすごくツボな予感はしていましたが、届いて読んでみて、まさに「私のモヤモヤに対する答えが詰まった本だ……!」と、脱帽。

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帯の裏面に書いてあるキャッチコピーは【本当の料理上手になるための革新的レッスン】。「はじめに」にはこんな言葉が載っています。

この本は、私が料理教室をはじめるずっと前から、長らく実践していた調理法をまとめたものです。例えていうなら、レシピ以前の、「もとのもと」。自分の感覚で料理が作れるようになるための、手がかりの書です。

誰にでもできて、すぐに結果が出る、ゲームのような訓練法を、いくつもまとめてあります。「味付けは塩だけで」「調理器具は鉄のフライパンだけで」と最初に制限を作り、まずはその中で訓練をすることによって、徐々に身につくようになっています。

調味料断ちをして、まずは「塩だけ」で料理を作る。そのために塩を使うタイミングと量を見極める。にんにくから旨みを最大限に引き出すには、用途に合わせて切り方や加熱方法を選択する……。

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ぼんやり感覚で知っていたことも、「え!そうだったんだ……」と初耳だったことも、白崎先生のロジカルな説明で読むと「なるほど!!」と唸らずにいられません。この本に書いてあることをひとつずつ実践していけば、私の料理はもっとミニマルで再現性の高いものになるはずだ、と……。

おわりに、が《始まり》

今始めているのは、訓練メニューとして載っている「海塩スープ」。シンプルなスープを毎日作って、自分の味覚を確認するというもの。しばらくこの味になれたら、醤油や昆布水を使って違いを感じてみるのだそう。

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訓練というより、私にとっては楽しい実験?(笑) あとは塩スープとか塩水煮とか、シンプルな材料と工程でどれだけ「美味しい」ものを作れるか、レシピに沿って実践してみます^^

料理苦手!という方にはもちろん、私のように「料理は好きだし長年やってきたけど、もう一歩レベルアップしたい……」という人にもめちゃくちゃおすすめなこの本、ぜひお手にとってみてくださいね。

レシピ本ではなく《物語》で料理を学ぼう♪
料理においても意識したいのは「ミニマリズム」!!《昆布酒》など茶会式合わせ調味料が載った本を紹介しています♪[tm1]

この記事を書いた橘花(kikka)ってこんな人