ケガや火傷は「消毒・乾燥」ではなく「密閉・保湿」して治そう

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三日前に、4歳の長女が坂道で走って転んで、盛大に左膝をすりむきました……。珍しく私が夜に外出し、夫が保育園にお迎えに行ってくれたその帰り道の出来事。夫からは話を聞いていたのですが、長女の顔を見たのは翌朝になってからでした。

パジャマ姿の長女の膝には、牛乳キャップ大の傷跡。そこに貼られていたのは、いつも私が使っているハイドロコロイドの被覆材。あ、夫がちゃんと処置してくれたんだな、とひと安心しました^^

ハイドロコロイドと、湿潤療法とは

ハイドロコロイドとは、水分(傷口からの滲出液)に反応してゲル状になる素材。キズパワーパッドに使われているのと同じ素材です。

傷口を消毒・乾燥させるのではなく、密閉&保湿することで傷を早く綺麗に治すための素材で、これを使った治療法は《ラップ療法》《湿潤療法》などと呼ばれています。この方法だとかさぶたが出来ないので、かさぶたを剥がしてまた血が出る、なんてこともありません。

 

私はこの治療法を、湿潤療法の第一人者である医師・夏井睦先生の著書で約10年前に知りました。それ以来、ハイドロコロイドを欠かさず家に常備しています。

本書の中ではハイドロコロイドよりも食品用ラップ+ワセリンを使う場面がたくさん紹介されています。ポイントは《傷を密閉して保湿すること》であり、ハイドロコロイドはそのいち手段、という位置づけですね!

この本の帯の裏面には、実に明快な言葉が書かれています。

「消毒しない」 「乾かさない」とどうして痛まずに早く傷が治るの?
理由は簡単
だって人体はそのようにできているから

人体はそのようにできている……その仕組みが、本書のなかでは一般人にもわかりやすい、平易な言葉で解説されています^^

この湿潤療法は、皮膚常在菌を生かして自然治癒を促す方法でもあるので、ある意味皮膚上での「菌活」です。発酵が好きな人なら、その良さが直感的に納得できるはず! 消毒や乾燥は、雑菌だけでなく皮膚常在菌をも殺してしまうのですよね……。

おすすめのハイドロコロイド被覆材など

ハイドロコロイドの被覆材と言えば、上記のキズパワーパッドが一番有名なのですが、絆創膏としてはかなり割高。一般的な指用サイズが6枚入って、Amazonで500円ほど。生傷絶えない子どもに対し、じゃんじゃん使うのはちょっと気が引けてしますよね……。

なので私が普段使っているのは、自分で好きなサイズにカット可能なロールタイプのこちらの商品。

平面部ならこのシート↑だけを直接傷口に貼ればOK。肘や膝のような関節周辺はそれだけだと剥がれやすいので、上から防水フィルムを重ね貼りしています。こちらもロールタイプです。

毎回ハサミでカットするのが面倒な人は、キズパワーパッドを各サイズ揃えておくと良いですね。私はコスト面もですが、その都度傷に合った大きさ・形にカットして無駄なく使えるところがお気に入りです。

ワセリン+ラップにするなら、ワセリンはチューブ入りのソフトタイプが使いやすいですし、ラップは塩ビ系ではなくポリエチレンがおすすめです。ワセリンではなく植物性のものにこだわりたい人には無添加のシアバター、かな……。

娘が転んだのが三日前。一昨日の夜、お風呂からあがる直前に一度ハイドロコロイドを剥がし、シャワーで軽く洗い流し、その後新しいものをペタリ。

昨日も同じように交換しましたが、もう傷全体が浅く・薄くなっていましたし、娘いわく「もう痛くなーい!」とのこと^^

もうひとつの常備アイテム

ハイドロコロイドを使うほどでもない、もっと小さな傷にはWELEDAのカレンデュラクリームがお役立ちです。カレンデュラ(キンセンカ)は、古くから消炎・鎮痛効果が認められ、広く使われてきたハーブです。

皮膚の痒みや腫れにもいいのですが、このクリームはアトピーや湿疹など「体内から来る炎症」よりも、「外からの刺激による炎症」に効果的だな、というのが個人的な使用感。

娘二人のおむつかぶれはずっとこれで対処してきましたし、私自身も、下着の締め付けがミミズ腫れになってしまった時など、かなりお世話になっています。二度の妊娠中、皮膚トラブルにたびたび悩まされたんですよね……。

配合されているのはカレンデュラのチンキ。精油ではないため赤ちゃんにも安心して使えるのがありがたいです。 ※カレンデュラはキク科なので、キク科アレルギーがある方はお気をつけください!

これは放っておいても大丈夫、という場合でも子どもは「何か手を打って欲しがる」もの。そういう時にはこのクリームを塗り、これはしっかり保護した方がいいなと思う場合はハイドロコロイドを使う。私はそんな風に使い分けています^^

まとめ

傷が出来たらオキシドールで消毒し、ガーゼを当てて通気性を良くし、乾かして治す……。私が小さかった頃は、まだまだそんな方法が「当たり前」でした。この湿潤療法が今現在どれくらい世間に浸透しているのか、私にはわかりません。

でも3月まで娘たちが通っていた保育園では、「ちょっとすりむいたので、消毒だけしておきました!」なんて言われていたし、きっとまだまだ……なんだろうなぁ。

 

親にちょこっと知識があれば、より良い選択肢を選ぶことは可能です。が、自己流に陥って無用なトラブルを起こさないためにも、実践される前には本を最低一冊読んでおくことをおすすめします。何事も「こういう時は必ず病院を受診してください」というボーダーラインがありますからね!!(湿潤療法が受けられる医療機関のリストはこちら)

私もまだまだ勉強中。子どものアクシデントに、賢く対応できる親でありたいなと思います^^


傷やヤケドははちみつで治す!という方法も。ワセリンの代わりにはちみつ+ラップもありかも?WELEDA(ヴェレダ)の製品やシアバターは、iHerb.comにも豊富に揃っています▽湿潤療法を実践している医療機関一覧

この記事を書いた橘花(kikka)ってこんな人