お義父さんに教えてもらった、ニホンミツバチとそのはちみつのこと。

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ゴールデンウィーク恒例、飛騨高山の義実家への帰省。その最終日のよく晴れた午前中に、お義父さんが飼っているニホンミツバチが「分蜂(ぶんぽう)」しました。(引用文のすぐ下に虫の密集画像が出てきます。苦手な方は半目でスルーしてください!)

分蜂とは、ニホンミツバチの群れが、1群れから2群れに分かれることを言います。分蜂の読み方は、「ぶんぽう」です。分封とも書きます。

春になると、新しい女王蜂が生まれます。すると、その母親の女王蜂は、働き蜂の約半数を連れて巣を飛び出し、新たな場所に巣を作ります。母親が家を出て行くのです。

週末養蜂家のニホンミツバチのおいしいはちみつより)

分蜂は養蜂における一大イベント! いつ始まるかと、お義父さんは連休中ずーっと巣箱に目を光らせてました。

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小さなミツバチ達が巣箱からあれよあれよと飛び出して、木の幹に大きな塊となって集まっていく様はとても見事で、自然の営みってすごいなぁと毎度感動せずにはいられません。

このミツバチの塊を虫取り網を使って捕獲し、うまく新しい巣箱に誘導するまでが、お義父さんの腕の見せ所です^^

ニホンミツバチとセイヨウミツバチの違い

ニホンミツバチ(ヤマトミツバチ)は、名前の通り日本の在来種のミツバチです。一般的に飼育されているセイヨウミツバチよりひと回り小さく、気性は穏やか。見た目はセイヨウミツバチが黄色っぽいのに対して、ちょっと黒っぽい。野生のものなので、養蜂していても環境が気に入らなければ巣を捨てて出て行ってしまうくらい、デリケートな一面もあります。

ニホンミツバチが集める蜜の量は、セイヨウミツバチの5分の1〜6分の1程度。ある意味とても効率が悪いので「産業としては成立しづらい」。それが、このニホンミツバチのはちみつが、一般市場にほとんど出回らず「幻のはちみつ」と言われる理由のひとつめです。

国内で流通するはちみつのうち、93%は外国産。残り7%の国産はちみつのうち、ニホンミツバチのはちみつは1%未満なのだそう。その希少さと、手間の多さもあり、ニホンミツバチのはちみつにはセイヨウミツバチの国産・純粋はちみつの2倍〜5倍の高い値段がつけられています。

お義父さんがニホンミツバチの養蜂を始めたわけ

そんな貴重なニホンミツバチを、定年退職の少し前から趣味で飼い始めたお義父さん。今では「ハチ先生」として地元の新聞に載ったり、わざわざ県外から養蜂を学びに来る人が現れるほどになりました。でも、あくまでどれもボランティア。商売っ気のないお義父さんは、出来上がったはちみつを積極的に売ることもなく、身近な人たちにおすそ分けしてばかり(笑)。

お義父さんが養蜂を始めたのは、老後の楽しみというのもあるけれど、「山を守るため」。ミツバチの数が増えて花の受粉を助けてくれると、山に実りが増えてクマなどの動物が山を降りてくる必要がなくなるから、だそう。

   
(中央の黒っぽい塊が、分蜂のために巣箱から出てきたニホンミツバチの集団)

なぜ里山からミツバチが減ったのか、そしてそれが農業や環境にどう影響するのか……。このテーマはまだまだ論争が続いているようですが、一番有名なのはこの本ですかね。

こういう本を読むと、生態系がいかに絶妙なバランスで成り立っていて、何かひとつの種が急激に増えたり減ったりすることが、どれだけ深刻な問題に発展するのかをしみじみと考えさせられます……。

ニホンミツバチのはちみつ

セイヨウミツバチは長方形のフレームの内側に規則正しく巣を作るので、フレームを取り出して遠心分離機に掛ければ効率的に採蜜ができますが、ニホンミツバチの場合そうはいきません。こういう巣箱のなかに有機的に巣を作るので、壊さないように巣を取り出し、それを丁寧に手で砕いて、何度も濾過して蜜を集めなければなりません。とても手間のかかる作業です。

でもね、そうして集められたニホンミツバチのはちみつは、本当に美味しい……!ニホンミツバチのはちみつは「レンゲ蜜」「アカシア蜜」のように特定の花を蜜源にしていません。様々な花の蜜を、シーズン通して少しずつ集めて作られているので「百花蜜(ひゃっかみつ)」と呼ばれます。複雑で奥深い味わいなのに、ミントのような爽やかさもあって、一度食べると虜になってしまう人、続出!!

天然・純粋・非加熱・未精製なはちみつには、花粉や蜜蝋などたくさんの「不純物」が混ざっています。そして、放っておくとすぐに結晶化したり発酵したりします。

白っぽく濁ったり表面が泡立ったり、ガスの発生によって密閉容器が割れてしまうこともあります。それも酵素が活きているからこそなのですが、そういった事情を知らない人からは「変質した」とクレームになる恐れも……。これがニホンミツバチに限らず、非加熱の生はちみつが市場に流通しにくいもうひとつの理由です。

「品質を安定させる」ためには、精製して不純物を取り除いたり、加熱処理して酵素を失活させる必要があるんですよね。これははちみつだけでなく、市販の発酵食品全般に言えることですけれど。

もし非加熱の生はちみつを手に入れる機会がありましたら、見た目が変わっても絶対に捨てたりしないでください! 非加熱のはちみつは3000年経っても腐りませんから^^

ニホンミツバチの養蜂家さん応援の気持ちを込めて、ネットで買えるものをいくつか貼っておきます♡

はちみつの使い方、いろいろ

ではこの貴重なはちみつをどう使うか。砂糖やみりんの代わりに普段のお料理に使うことももちろん可能ですが、私はなるべく非加熱で、ビタミンやミネラルをそのままいただけるときに使うようにしています。ちなみにはちみつはとても焦げやすいので、焼き菓子などで使う場合は、焼き時間や温度など微調整してくださいね。

そしてはちみつは単に味わうだけでなく、医薬品や健康食品としても素晴らしい効能があるということを、私はこの本に教えてもらいました。この「はちみつを常備するのは、家にちょっとした薬局があるのに等しい」というキャッチコピーにまんまとハートとを射止められた私。前から前田京子さんの著書のファンなので、良いんですけど^^

マヌカハニーの台頭で、一躍知られるようになったはちみつの薬効。その他にもスキンケアや歯磨きや軟膏や胃薬(ピロリ菌対策)など、数多くの使い方が本のなかで詳しく紹介されています。なかには「目薬として点眼する」なんて驚きの使い方まで……!! 勇気がなくまだ試せていませんが、うん、実験好きな私はきっといつかやりそうだ(笑)。ちなみに私の友人が、この本を読んで実際に試したレポ記事はこちら

この本を読んで、はちみつに対する認識が大きく変わりましたし、養蜂に取り組むお義父さんへのリスペクトがますます強くなりました。毎年5,6kgもの生はちみつをいただくので、家族の健康に役立つ賢い使い方を、より考えるようにもなりました。

ちなみに我が家で頻出する使い方は、

  • 自家製豆乳ヨーグルトのトッピングに
  • 季節の果物と混ぜて「発酵生ジャム」に
  • モリンガの粉末とまぜて抹茶風シロップに
  • グリセリンの代わりに、手作り化粧水の保湿剤に
  • 体調を崩したときや暑いときに「手作りイオン水」
  • 喉が痛いときに、スプーンで直接舐める!
  • 大事な仕事の日の朝に、キャリアオイルと混ぜて「フェイスパック」に
  • 自家製豆乳ヨーグルトの種菌づくりに

あたりでしょうか。
そうそう、豊富なビタミンやミネラルを含み、かつ腐らない・傷まないはちみつは非常食にもぴったり。即効性のあるエネルギー源になるので、いざとなったらすぐ持ち出せるよう、手前味噌と共に備蓄チェックリストに入れてあります^^

ちなみに、時々いただく蜜蝋(みつろう)は、軟膏やクリーム作りの基材に使わせてもらっています。

はちみつを使ううえでの注意点

これはもう、ハチの種類や加工方法に関係なくですが、一歳未満のお子さまには「はちみつを与えないでください」……! 母親学級などでなんとなく聞いたことがある方は多いかと思いますが、

  • なにがどういけないのか?
  • 加熱してもダメなのか?
  • はちみつ以外に「同じ理由で避けるべき食材」は?

については、臨床検査技師で女性の健康を守るプロでもある、笛吹和代さんのこちらの記事↓がとてもわかりやすいです。「はちみつを乳児に与えてはいけない」ことは私も以前から知っていましたが、この記事を読んで知識を深めることができました。

乳児に関わる人は知っておきたい乳児ボツリヌス症womanlifestagesupport.wordpress.com
「ナチュラルでヘルシー」なイメージのはちみつですが、同時に乳児の命を奪う危険性もあるということを、しっかり周知しておかないといけませんね……。

おわりに

高山滞在中に分蜂を見たことをきっかけに、ニホンミツバチやそのはちみつについてだだーーっと書いてみました。日本にはニホンミツバチって野生のハチがいるらしい、そのはちみつは諸事情であまり流通しないけど、美味しいらしい……ってことを知ってもらえたらいいな。

そしてこれからはちみつを選ぶときは、是非

  • 天然・純粋:水飴などを加糖していないもの、添加物の入っていないもの
  • 非加熱:酵素が活きているもの、煮詰めて人工的に糖度をあげていないもの
  • 未精製:花粉や蜜蝋由来の風味や栄養素が残っているもの

といった表示があるものを探してみてください! お値段は安くないですが、そのぶん「単なる甘味料としてだけではない使い方」が楽しめますよ〜^^

▼生はちみつがあれば、豆乳ヨーグルトの種菌も起こせます^^

▼養蜂以外の、生態系を守る意外な方法

▼今回の帰省ですっかりハマってしまった野草の魅力!

▽ニホンミツバチやその養蜂について興味があれば、こちら!
週末養蜂家のニホンミツバチのおいしいはちみつ

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この記事を書いた橘花(kikka)ってこんな人
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1 個のコメント

  • id:saku_sa さん
    その場でですか!それは素敵な体験ですね^^
    ほんと、複雑な味わいが心地よくて、これに慣れてしまうと純粋でないはちみつは食べられなくなりますね。笑

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