御神木と生き物に歓迎された、若狭彦神社・若狭姫神社での参拝録

先週末、娘たちを両親に預け、久々に夫婦二人でドライブ旅行に。私達の旅はいつも行き当たりばったりなのですが、金曜の夜にまず向かったのは、京都北部。一夜明けてからは、夫が「福井にへしこを買いに行きたい!」と言ったので、日本海沿いを福井方面に向かって走り出しました。

その道中、せっかくだし界隈に素敵な神社さんはないかな〜とスマホで色々調べる私。すると出てきたのが、小浜市にある若狭彦神社と若狭姫神社。

小浜駅近くのお店でへしこを買ったところ、こんなリーフレットも見つけ、これは行かねばーー!という期待が高まります。

 

熊野本宮−飛鳥京−平城京−平安京−若狭彦神社・若狭姫神社が一直線になってるんですねぇ。神様の名前も古事記の内容も、決して詳しくない私ですが、こういう図には壮大なロマンを感じ、とても心が惹かれるのです……!

若狭彦神社と若狭姫神社、どちらから参拝するかは諸説あるようですが、私達はなんとなく、若狭彦神社に先に伺いました。

まずは若狭彦神社(上社)へ

若狭彦神社の御祭神は、彦火々出見尊(ヒコホホデミノミコト)。山幸彦(ヤマサチヒコ)とも呼ばれます。穀物の神様で、農業や漁業、安産育児にご利益があるそう。また、畳や敷物商工業の守護神としての信仰も深く、インテリア産業に関わる人の参拝も多いのだとか。

一ノ鳥居前。土曜日の午前中、人はほとんどおらず、とても静か。ここを抜けると、二ノ鳥居の役目を持つ?二本の杉に出会います。

どちらも真っ直ぐに高く高く伸びていて、とっても清々しい。もう少し歩を進めると、今度は根元で二本に分かれた夫婦杉にも出会いました。こちらもものすごく背が高くて、樹齢千年を超えているという説も……!

久々のふたり旅でこんな立派な夫婦杉に出会えたことが、とても嬉しい♡

そしてその先にあったのは、切妻の屋根面を正面に据えた、お伊勢さんと同じ「平入」の拝殿と本殿。こじんまりとしてはいるのですが、長い歴史のなかで大切に守られたきたのだろうな……という静謐な空気が感じられました。

私、ミエナイモノにはかなり鈍感な方ですが、ここは足を踏み入れた途端、その気持ちの良さにわーーっと鳥肌が立ちました……!

それを噛み締めようとした瞬間、ひと足早く到着していた夫に「来て来て!!」と呼ばれ、拝殿の左手前にある池に向かいました。そこで夫が指差す先にいたのは、たくさんのイモリ!!

湧き水を利用しているのでしょうか、手水鉢と一体化した池には、綺麗な水の中にしか棲めないイモリが静かに泳ぎ回っていました。小学生の時、クラスでイモリを飼っていたことがあったけど、野生種を見たのは初めてだなぁ……。

イモリの写真を撮ろうと池にぐっと近づくと、今度は足元でぴょこぴょこ何かが飛び跳ねます。

後からこのサイト(「カエル検索機能」がめっちゃ優秀……!!)で調べてわかったのですが、このカエルはヌマガエルというそうです。大小合わせて20匹以上は見かけました。

夫と二人ですごいねー!と興奮しつつ、フッと頭をあげると、そこには枝にしっかりぶらさがった、モリアオガエルの泡状の巣が。

f:id:ryokoueda:20180529163624j:plain

モリアオガエルも、長野県では準絶滅危惧種に指定されているほど、棲息環境の悪化によって個体数を減らしている生き物です。

参拝後、拝殿脇の若宮神社の足元では、縦縞と青いしっぽが美しいニホントカゲにも遭遇しました。動きがとても早く、写真に収められなかったのが残念……!

生き物がたくさんいるって、その場所が豊かな証拠。《神社で生き物に遭遇するのは吉兆》だとも言われますし、参拝を歓迎してもらえたような気がして、とても嬉しかったです^^

若狭彦神社は《強力な邪気払い・浄化ができるパワースポット》としても知られているそうですが、それにも納得! とにかく境内の空気が澄んでいて、ものすごーくスッキリしましたからね。

続いて若狭姫神社(下社)へ

若狭彦神社での参拝を終え、次は車で5分ほどの距離にある若狭姫神社へ。小浜駅方面から向かうと、若狭姫神社の方が手前にあるので、一旦通り過ぎて戻ってきました。

若狭姫神社の御祭神は豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)。山幸彦・海幸彦神話に登場する女神で、若狭彦神社同様、農業や漁業、安産育児のご利益があるそうです。

こちらの方が敷地が広く社務所もあり、より「開かれた」印象がありました。

f:id:ryokoueda:20180529163512j:plain

この若狭姫神社で特に有名なのが、本殿の左手にある「千年杉」。足元には《ここから見上げるべし》というような足跡のサインもありましたよ。

f:id:ryokoueda:20180529163727j:plain

若狭彦神社の夫婦杉と比べると、太い枝が下からいくつも分岐していて、曲線的なフォルムが力強くも優しい印象でした。

拝殿・本殿も若狭彦神社より大きく、立派。こちらもお伊勢さんと同じく「平入」の構造です。

f:id:ryokoueda:20180529163545j:plain

この若狭姫神社には他にもいくつもお祀りされているものがあって、そのうちのひとつがこの「乳神(ちちがみ)さま」と呼ばれる大樹。

f:id:ryokoueda:20180529163526j:plain

枝分かれしているあたりに、乳房のようなたくさんの根が垂れ下がっていることから、妊婦さんや母乳の少ない人がここで祈願すると、豊かな乳を授かることができるのだとか^^ イチョウの樹なので、秋はさぞかし綺麗なんだろうな……。

この御神木のすぐ脇には、男女のアレに見立てた「子種石」などもありましたし、まさに子宝祈願・安産祈願にはぴったりなお宮さん……!

若狭彦神社と若狭姫神社そのものが夫婦として対になっていますし、私がニホントカゲに遭遇した、若狭彦神社内の「若宮神社」の御祭神は、その二人の神様の御子である盧茲草葺不合尊(ウガヤフキアエズノミコト)。

夫婦や家族でお参りするのにも良さそうです^^

おわりに

今回、若狭姫神社でちょっと嬉しいアイテムを見つけました。それがこの「全国一の宮神社所在地」!!この地図の発行元は《一の宮巡拝会》という団体でした。

f:id:ryokoueda:20180529163608j:plain

私が今回、若狭彦神社・若狭姫神社に足を運んだのも、ここが「若狭国一之宮」だったから。

私はパワースポットなどに全然詳しくないので、旅先で時間があれば、その土地で一番格式が高いとされる一之宮さんに参拝し、旅の安全やその土地との良縁をお祈りするようにしています。

この地図があれば、出かけた先のどこに一之宮さんがあるかが一目瞭然! ネットでいつでも調べられはしますが、車のダッシュボードに忍ばせておくと便利かな〜なんて^^

若狭彦神社・若狭姫神社にお参りしたお陰で、二泊三日の小旅行を無事に終えることができました。楽しかったことは他にもたくさんあったのですが、私にとって一番有意義だったのは、ここでの参拝。これまで訪れた神社の中でもベスト3に入るくらい、心地のよい空間でした。

お近くに行かれた際は、是非この神社の素晴らしい空気を感じに立ち寄ってみてくださいね!

 

▽若狭彦神社の公式HPはないようです
福井県神社庁|若狭彦神社

[tm1]
この記事を書いた橘花(kikka)ってこんな人