手ぬぐいと風呂敷は《日本が誇るマルチクロス》なのだ♡

愛用歴は、約15年。集めた枚数は、ちゃんと数えてないものの100枚は下らない……。

そんな手ぬぐい愛好家・テヌグイストな私、今はインテリアとして手ぬぐいディスプレイを楽しんでいることは、以前にも一度ブログ記事に書きました^^

一方、風呂敷を積極的に使い始めたのはまだここ数年、数枚しか手元にもありません。が、手ぬぐいと風呂敷には《日本が誇るマルチクロス》という共通項があります。

今回はそんな2つのアイテムの、私が思う魅力を語ってみたいと思います!

日本の文化は《多用途・汎用性》が前提にある

大学で建築やインテリアを学んだ私。もうかなり記憶もおぼろげですが、住文化や暮らし方について、洋の東西を比較した項目?文章?にすごく興味が湧いたことがありました。

その内容をかなりざっくりまとめると……

日本の生活様式は《床座》。畳や板敷きの上に座り、そこに置くのは簡素なちゃぶ台やお膳、座布団のみ。それらは容易に片付けることができ、部屋は食べる場所にも寝る場所にもなる。寝具も、寝るときに押入れから布団を出し、起きたら片付けるのが当たり前。

西洋の生活様式は《椅子座》で、しかも土足。椅子もテーブルも構造的にそれなりに頑丈。そもそも動かす前提になっていないし、寝室にはベッド。モノも空間も、用途によってはっきり区別するのが当たり前。

または別の文献には《和食は一組のお箸さえあればなんでも食べられるけど、洋食にはナイフとフォークとスプーンがあり、更に肉・魚・デザートなど用途によって細かくわかれている》なんて書いてあったり……。

用途や目的によって専門性を高め、より快適な使用環境を整えるのが西洋の考え方。

それに対して、個々の用途に多少不便があったとしても、出来るだけ汎用性を高め、モノや空間を多様に使うことを良しとしたのが日本の考え方。

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ここでは割愛しますが、その経緯は地形や気候といった風土に基づいていて、私にとってはそこがまた萌えポイント!(笑)

日本と西洋、どちらにもそれぞれの良さがありますが、せっかく日本に生まれ育ったのだし、私はもっともっと日本的な考えを日々の暮らしに活かしていきたいなぁ♡と、いつの頃からか思うようになりました。

手ぬぐいの魅力に気づいたきっかけ

そんな私が手ぬぐいを集めだしたのは、旅先で《自分用の手軽なお土産》に買ったのがきっかけでした。

名勝の景色や短歌が描かれたような、渋~い日本手ぬぐいって、お土産物屋さんで4~500円で買えるんですよね。旅の想い出を手元に残しつつ、安くて軽くてかさばらなくてイイかも!って^^

実際に手ぬぐいの使い勝手の良さに気づいたのは、せっかく買ったし使わないともったいないなーと、ハンカチ代わりに持ち歩くようになってから。

ハンカチよりも吸水力が高いのに、広げておけばあっという間に乾き、長さがあるのでタオルのように首や額に巻くこともできる。ひゃーーこれはハンカチとタオルを兼ね備えてるぞ!!めっちゃ日本的で便利やん!!!と(笑)

切りっぱなしが基本なので、使い始めは洗うたびに糸くずが出てくるのですが、ちょこちょこハサミで切っていれば、それもそのうち落ち着きます。

生地も、最初は糊がきいていて、固くてシワになりやすかったりするんだけど、だんだん柔らかく手触り良く変化していったり……。そういう「使い込んでいく過程」がまた面白くて♡

あとね、端が切りっぱなしだからこそ、いざという時には手で細く裂くことができるんです。昔は下駄の鼻緒が切れた時に、裂いた手ぬぐいを使ったりしたのだとか。

私は鼻緒に使ったことはありませんが、ちょっとしたケガをしたときに、一度だけ包帯代わりにしたことがあります^^

外出時のその他の用途で言うと、

  • スーパーで娘が寒がったとき、ストール代わりに
  • カバンが小さい時に、ペットボトルホルダーに
  • 外食時、娘のエプロンに
  • 日差しの強い日に、頭に被って帽子代わりに

なんかにも使ったことがあります。

最近は「ガーゼ手ぬぐい」「タオル手ぬぐい」なんて商品もありますし、端がほつれないようにミシンがけされているものも見かけます。が、上記のような理由から、私はあくまでも

  • 綿100%のサラシ製
  • 端は切りっぱなし! 

であることにこだわる《日本手ぬぐい原理主義者》です(笑)。

手ぬぐいを家の中でどう使う?

そうして外出時、ほぼ100%手ぬぐいを持ち歩くようになった私。モダンで可愛いおしゃれ手ぬぐいに、旅先で買う古典柄の手ぬぐい……枚数はどんどん増えていきます。

あまりモノを増やしたくないなと思いつつも、手ぬぐいだけはOKにし、その分用途を広げることにしました。

今では

  • キッチンの手拭き
  • キッチンの食器拭き
  • お風呂の垢すり
  • ダイニングの台拭き
  • 食事時の娘たちの手拭き・口拭き
  • 夫の汗拭き

など、家の中のあらゆる場所で手ぬぐいが活躍しています。しかも、「この手ぬぐいは○○用」とは一切決めていません。あ、私のハンカチ用のおしゃれ手ぬぐいだけはこっそり分けてるけど!(笑)

洗濯乾燥機から出した手ぬぐいは、全部まとめてひとつのボックスにくしゃっと放り込んでいて、各自そこから引っ張り出しては、好きなように使う。そして使い終わったら、すぐに洗濯カゴにポイ!

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(まったく見栄えはしませんが、実態はこんな感じ・笑)
畳む手間も省いているので、娘たちが何枚無駄に使おうと気にすることもありません。お水やお茶をこぼしたら、2才児でも勝手に取りに行って勝手に拭いて始末しています♪

 

手ぬぐいをこんな風に使い始めてからは、ハンドタオルやガーゼ、布巾などはほとんど処分。フェイスタオルとバスタオルはまだ数枚ありますが、随分シンプルになりました^^

ここ数年はインテリアの一部として、目でも楽しんでいますしね。

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私のお気に入りの手ぬぐいブランドは《濱文様》。色鮮やかで精緻、絵柄の種類も豊富で見ているだけでも楽しいです。

淡いトーンの、ふんわり優しい絵柄がお好みだったら《気音間(けねま)》もおすすめ^^

風呂敷の魅力と使い方

そんな幅広く活用中の手ぬぐいに比べると、まだまだ私自身の活用歴が浅いのが風呂敷。使い始めたきっかけは、長年使っていた旅行用の衣類ケース?袋?がダメになったこと。

新しいの買おうかなぁと思った時に、たまたまいただきものの風呂敷が目に留まって、試しにササッと包んでみたら、内容量にぴったりサイズを合わせられるのが気持ちよくて♡

多少モノが大きかったり、逆に少なかったりしても、何でも柔軟に包み込んでくれる、あの安心感や包容力たるや! あーーそうだ、風呂敷も手ぬぐいと同じ《マルチクロス》だったな……と改めて思ったのです。

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以来旅行や出張のときには欠かせないアイテムになってますし、それ以外にも

  • ピクニックのときに重箱を包む
  • 娘たちへのプレゼントをラッピング
  • ささっと結んでエコバッグに

など《包む・運ぶ》という用途で活躍中。今のところほんの数枚で事足りていますが、これからこっちも少しずつ増えるかも?^^

色んな包み方を知りたくて、本を一冊読んでみたこともありました。

大きさがほぼ統一されている手ぬぐいと異なり、様々なサイズがある風呂敷。個人的には90~110センチ角くらいの、大判の木綿風呂敷が一枚あると、大は小を兼ねるし色々使えて便利です。

私のお気に入りの一枚は京都の掛札さんのものですが、《シビラ》や《むす美》なんかから、モダンなものがたくさん出ています。

手ぬぐいと風呂敷は、非常時にもお役立ち!

私の住む関西は、今年に入って地震・豪雨・台風と、次々災害に見舞われました。その度に「備えは本当にこれでいいのか?」と自問自答し、ブログ記事にもしてきました。


平常時と非常時を切り離すことなく《普段使っているものを非常時にも使い、非常時にも使えるものを普段から使う》ことを重視したとき、汎用性が高く多用途な手ぬぐいや風呂敷こそ、いざという時に役立つのではないかな、と……。

手ぬぐいは、上記に書いてきたような用途はもちろん、口元に巻いてマスク代わりにしたり、細く裂いて包帯や止血帯にしたり、裂いたものを繋げば紐やロープとしても使えます。風呂敷は荷物を包んで背負ったり、寒い時に羽織ったり、赤ちゃんのおくるみにだってなるんです。

自分たちは特に困ってなくても、持ち出し袋に何枚か入れておけば、誰かを助けられるかもしれません。軽くてかさばらないことは、こんなときにも有利です。

そのことに気づいてからは、毎日持ち歩くポシェットに、ハンカチ用以外にもう一枚、予備の手ぬぐいを忍ばせています。持ち出し袋には、家族の人数分+αの手ぬぐいと、大判風呂敷1枚をパッキングしました。

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明るい色柄の手ぬぐいや風呂敷であれば、気持ちを明るくする効果もあるかもな、なんて思ったり^^

追記:手ぬぐいを含む、私のデイリー防災グッズのこと

おわりに

汎用性高く、多用途に使えるものを生み出すことは、日本人のお家芸なんだなぁと気づいたとき、私は和室やお箸に、とても愛着が湧きました。

今の我が家に和室はありませんが、ローテーブル + 座椅子でご飯を食べたり、フローリングに布団を敷いて寝たりしています。

世界中の文化や情報が気軽に取り入れられる今だからこそ、《日本の良さを語れる、誇れる日本人》でありたいなぁと。そのひとつのきっかけとして、手ぬぐいや風呂敷をもっともっと活用していきたいと思います^^

洗剤類も、マルチに使えるもので統一してます
シンプルな定番品をインテリアでも使いまわそう
高い汎用性はミニマリズムにも通じます
[tm1]

この記事を書いた橘花(kikka)ってこんな人